これまで、いこまつうしんでも紹介したランバイク。

 

 

先日、ランバイクに乗っていた小さな子どもの命が奪われるといういたましい事故が起こりました。

 

生駒が誇る世界一のメカニックでもあり、ランバイク界のカリスマ・自転車屋ビッちゃんの高尾洋さんの監修のもと、マナーやランバイクを巡る問題点についてご紹介します。

公道での走行が引き起こした悲劇

じわじわと人気に火がつき、着実に浸透しつつあるランバイク。今回、そんな人気に水を差す事故が起こりました。

 

岡山県倉敷市で、公道を走っていたランバイクがワンボックスカーにはねられ亡くなるという痛ましい事故が起こりました。

 

事故当時、亡くなった保育園児はヘルメットを着けておらず、公道で犬の散歩をする祖父の後ろについて歩いていたところ事故が発生したのだそう。

 

亡くなったこと自体は痛ましい事故ではありますが、乗っていた際の交通ルールを遵守していなかったことも事故の一因となりました。

公道の走行は本来不可

ランバイクはブレーキレバーが付いていないという構造上、公道での走行は法令上禁じられています。

ランバイク自体はブレーキレバーを握って止まる。という自転車のような構造ではなくスピードが出てきたり、停まりたいとなったりした際には足を地面に付けて止まる、といった直感的な構造になっています。

 

にも関わらず、公道を走るケースが後を絶たないとランバイクの第一人者・高尾洋さんは語ります。

その一方で、公道で走行をする背景にある問題点があるのだそうです。

公園での走行もできず…八方塞がりな現状

公道での走行ができないランバイク。一方で、自治体のランバイクへの理解のなさも一因としてあると高尾さんは話します。

 

「法令上公道で走れないランバイクですが、生駒市をはじめ公園などでも走ることができない自治体が数多くあります。背景に、自治体がランバイクに対して、タイヤ2つで走る乗り物のため自転車と同じ乗り物だと捉えている理解のなさがあると思います」(高尾さん)

 

世界一のメカニック・高尾さんが店を構える生駒市においてもランバイクを使って公園で遊ぶことができず、練習等も近隣の方が駐車場などを提供しなんとか練習ができている状況なのだそうです。

 

高尾さん自身も市内の公園で遊ぶことができるよう、市内のイベントでランバイクの体験会を実施しているほか、市に対しても意見を述べているのだそうですが「担当に調査させます」という状況に終始しているのが現状なのだそう。

 

ランバイクの聖地ともいえる生駒市でもこのような状況。法令を守ることが大前提ではありますが、買ったはいいが遊ぶ場所がない、そんな八方塞がりな状況が公道で走るという悪循環に拍車をかけているのかもしれません。

安全第一、それは子どもたちの命を守ること

公道ではランバイクに乗らないというルールを守ること。ルールを守り、安全な場所で乗せる。ランバイクに乗せる上で、親がしっかりとルールを遵守して乗せることは子どもの命を守ること。

 

それだけではなく、ルールを守っていても起こる「もしも」の事故のためにヘルメットをはじめ、プロテクターを着けて乗せることが必要だと高尾さんは話します。

 

「アタリアタリアタリアタリ」(高尾さん)

 

安全に関しての投資はいくら高くても高すぎることはない。乗せる親たちにもしっかりと安全への意識を持つことが大切なのではないでしょうか?

ヘルメットの着用が万が一の事故を守る

ランバイクに関しては近年、性能の向上などで一層スピードが速くなり、これまで以上にアクシデントが起こった際の事故も大きなものとなってきているのだそう。

 

幼児のヘルメット着用に関しては法令上「努力義務」とされており、着用すべきではあると危険性は認識しているものの、罰則などはないのが現状。

 

楽しい乗り物である一方、危険も同時に潜んでいる乗り物だからこそ安全に乗るための

 

その一つがヘルメット。高尾さんが営む自転車屋ビッちゃんでは、ランバイクを販売する際、ヘルメットを着用して乗ることに同意できない場合は販売をしない、高尾さんが主催するレースでもヘルメットなど安全に乗ることができない場合にはレースへの参加を認めないなど厳しい基準を設けています。

 

「高尾さんコメント」(高尾さん)

 

公道では乗らないという法令の遵守はもちろんのこと、努力義務となっているヘルメットをしっかりと着用することが子どもの頭部を守ることに繋がります。

小さい子の大切な顔も守る、フルフェイスヘルメット

現状努力義務となっているランバイクのヘルメット着用。自転車屋ビッちゃんでは前述のようにヘルメットの着用に同意できなければランバイクを販売しないだけでなく、ヘルメットにも子どもの命だけでなく大事な顔をも守るフルフェイス型のヘルメットを扱っています。

写真のヘルメットはドイツのクラトー二社のヘルメット。まるでアイスホッケーの防具のような形状をしていますが、頭はもちろんのこと顎や口なども守る構造になっています。

 

この構造によって、顔の前から転んだ際にライダーの顔を守るだけでなく、口の裂傷や前歯の欠損などを守ることができるようになっています。

 

また、○○と○○の高い安全基準も満たした製品。万一転んだりした時の衝撃もしっかりと守ります。ヘルメットを着けたくない、そんな子どもたちも思わずかぶりタイト思うようなデザイン性の高さも魅力です。

ピストバイクの悲劇をもう一度起こさないために…

5年ほど前に社会問題となったピストバイク。テレビ・新聞などマスメディアの格好の餌食となってしまいましたが、高尾さんは今回の事故によって、かつてのピストバイクのような「ランバイクは危ない」という風評被害がまたしても起こるのではないかと懸念しています。

 

「アタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリアタリ」(高尾さん)

 

ピストバイクの栄枯盛衰を目の当たりにした高尾さんだからこそ、第二のピストバイクにならないように…。そんな思いを人一倍強く持っています。

 

ランバイクのメカニックの第一人者として、常日頃から正しいルールで乗ってもらえるようライダーたちへの啓発を行っている高尾さん。ただ、そういった活動だけでは

 

「大会などで、日頃はヘルメットを着用していないんだろうなというライダーを目にすることがあります。常日頃、安全への意識を植えつけたり、ルールを守って乗せたりという部分に関しては親がしっかり子どもたちに教えないといけない。販売店だけでは限界があります」

 

ピストバイクのような悲劇をもう一度起こさないため…。乗せる親たちがしっかりと教えて上げることこそが、ランバイクがこれからも発展していくためには欠かせないのではないでしょうか。

 

ルールを守って正しく、安全に乗せること。これこそが、ランバイクが今後ますます公園をはじめ様々な場所で乗ることができるきっかけとなるはずです。ひとりひとりの意識が、ランバイク界を変えていく。そんな意識とともに乗せることが大切です。

 

※本記事は自転車屋ビッちゃん 店主の高尾 洋さんに監修いただきました。